<レースレポート> 小寺 須磨ヨットクラブで1年かけて準備してきたアメリカの名門、シアトルヨットクラブと の親善ヨットレース、宝船レガッタ。実は須磨ヨットクラブに長年いながら2016年に初め て本格的に参加して、その素晴らしさを体験したカウベルチーム。その時は残念ながらト ロフィーを手にすることが出来なかったが、今回は慣れた須磨海域(実はまだ慣れていな い・・)で慣れたJ24(これも実はまだ慣れてない?)で行うレース。しかもどうやら シアトルチームはトップレーサーは来ないらしい、しかも日本チームは飯塚キャプテンが レース運営のため今回は乗らないハングオーバーチームと、実力はあるがまだ経験が浅い ディンギーレーサーで構成されたチーム。これは長年J24を乗ってきたカウベルチーム は頑張らんといかん・・・とひそかに燃えてました。 前日にオープニングセレモニーとウエルカムパーティーをこなして、いよいよレース。 エンジンを付けた日本チームがエンジンを最初からはずしているシアトルチームを引っ張 ってレース海面へ・・。これも親善レースならではですね。初日の使用艇はヘルムス田中 が昔乗り慣れたKOBE MD号。 第1レース、スタートでついついいつもの調子で最前線スタートをしようと熱くなって なんと須磨ディンギーチームとポジション争いをしてしまい、2艇ともリコール。カウベ ルはなんとか戻ったが、ディンギーチームはそのまま走り切ってしまい、DNS。一方ハ ングオーバーチームは回答旗が上がっている時にスタートラインからはるか遠くでのんび りしており、スタートに全く間に合わず、スタート失敗。と言うことでカウベルチームは 何とか1位となったが他の須磨チームは6位とDNS。まさかの敗戦スタートとなってし まった。今回は絶対勝つ!!と意気込んでいたのに早くも暗雲が・・・。 女性が多く乗ったシアトルチームのために急きょ設定したランチ&トイレタイムのハー バーバックの時にU松先輩に「チームレースなのにスタートで邪魔しあって、おまえらは バカか!!」と気合を入れられ、我に帰り、作戦を練りなおす。 再びレース海面へ向かい第2・第3レース。今度は須磨チームには「お先にどうぞ」の 精神で組み立てる。シアトルチームのポット艇長はなかなかの腕前で何回か1上マークを 取られたが一応J24に慣れたカウベルチームはダウンウインドのVMG重視の走りで抜 き去り第2レースも1位。第3レースもなんとか1位を守り、初日はレース3本とも1位 となり、上々のスタート。 夜のレーサーズパーティーはシアトルチームもあでやかな浴衣姿で登場。そして North Shoreのおしゃれなカフェで何故かいつもの盆踊り状態・・。とても楽しめました 。 そして次の日、スタート前にいきなりトラブル。シアトルチームの1艇のメインハリヤ ードがマストに入ってしまい、えらいことに・・。須磨にJ24は数艇あれど、マストに 登れるのはほぼ飯塚さんと小寺だけ。飯塚さんはレース運営で既に海面に出ており、結局 小寺がマストに上ることになり、なんとかトラブル解消。あの時カメラを持って上がらな かったのが数少ない心残りであります。こんなことでドックアウトが遅れたが、幸い海面 は風待ちの状態であったので、運営的にも結果オーライとなりました。 今日の使用艇は我がカウベル。慣れ親しんだ艇で前日より成績が悪くてはシャレになら ん、今日も頑張って行こう!!。第4レース、左海面が有利と読んだカウベルチームはス タート後左へ伸ばす。須磨ディンギーチームとポット艇長シアトルチームも左へ伸ばす。 ディンギーチームがレイラインいっぱいで先にタックをして少し先行したがカウベルは邪 魔しないように、ディンギーチームが下先行の状態になるまで引っ張ってオーバーセール 気味にタック、アプローチに向かう。前に2艇先行されたが、上マークではポートアプロ ーチで即タック、即ジャイブが要求されるため、絶対にクルーワークで逆転できると信じ てマークを回る。計画通りにカウベルはきれいにスピンアップ。他の2艇はトラぶってい る。上手くいった・・。一気にトップに躍り出てそのままフィニッシュ。これで4本連続 一位。あと一本頑張ろう。後でディンギーチーム皆川君に「なんであんなに左を伸ばした のですか?」と問われたのですが、「あれは君たちを先に行かせるためだよ。」と昨日の 反省を生かしたチームワークを強調した。 最終レース。ほぼ勝利を確信したので今度は遠慮気味に走ろうなどと言いながら、やは りレースとなると本気モード。スタートは下有利だが、風は右側が良いと判断し、アウタ ースタート即タックと決めていたのだが、他艇が絡んでいたのでタックして右に行けず、 そのまま左を伸ばした。良くある悪いパターンやなあ・・って思っていたら、風が徐々に 左にシフトし、どんどんと有利な状態になり下イチでスタートしたカウベルは自然に早々 に首位に立つ。結果オーライ!上マークでカウベル得意とするスピンアップ失敗(いわゆ るビリチョウチン)で下コースの1/3をスピン無しで走ってしまったが、幸い抜かれる ことなくなんとか首位を守り1下も通過・・。その後どんどん風が振れたがコミッティー が何度もマークを打ちかえ、レース成立に向けて根性の運営をしてくださった。そのまま 一度も抜かれることなくファーストフィニッシュ。これで5レース全て1番となりました 。 実は普段J24で活動しているチームのプライドから、全レース1番を取ってやる!! とひそかに狙っていまして、それが達成できたことが本当にうれしいです。飯塚艇長不在 でも2位になったハングオーバーチーム、短い練習期間ながら3位になったディンギーチ ームも本当に素晴らしい走りでした。 今回の宝船レガッタはイベント的には何も目新しいことはやっていませんが、過去最高 に盛り上がったように思えます。それはみなさん個々人が本当にシアトルの人と仲良くし よう、楽しんでいただこうと思って行動してくださったからだと思います。トラブルはた くさんありましたが、そのたびに奇跡が起こったり、救世主が現れたりして無事楽しく終 わることが出来ました。きっとシアトルヨットクラブのメンバーも喜んでくれたと思って おります。それよりも何よりも須磨のメンバーが本当に楽しそうにされていたのが嬉しか ったです。そしてカウベルが宝船トロフィー奪還に一役買えたことが最高に嬉しかったで す。 3年後は須磨最強のレース軍団を率いてシアトルで勝ちたいと思っとります。J24の 皆さん、ミドルボートレーサーの皆さん、若手の皆さん、みんなでシアトルに乗り込みま しょう!! |
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