2) 2019年5月4日

気象関連グラフ[手稲山口]

石狩湾の海水温:約10℃ 発生時間帯:16:20~16:50頃(ピーク時:16:35~16:50)

手稲20190504温度差風向

■東~南東方向からの暖かい風が午前中の早い時間に北西方向に変わった場合、高島おばけは発生しづらい傾向です。それは石狩湾内に暖かい空気がまだ十分蓄えられないためと考えられます。それにも関わらず今回、夕方に発生したのはひとえに風速がかなり弱かったためと考えられます。おそらく、石狩丘陵上空に昼間に暖められた空気層が残っていたか、他の場所にあった暖かい空気層がそこにゆっくり移動してきたためでしょう。(今回、蜃気楼が起こる層が一般的な下から上方向ではなく、上から下方向へ移動してきた印象あり)

手稲20190504特風速

■気象データが手稲多発エリアに入ると上位蜃気楼が発生しやすくなりますが、温度差(=気温ー海水温) がぎりぎりのレベルでは確率は低い傾向となります。ただ、日中に温度差がおよそ10℃以上になっていたことと、発生時間帯には一段と風が弱くなったことが幸いだったかもしれません。その上、霧やモヤが濃くならなかったのですからとても幸運でした。

手稲20190504特最瞬風速

■手稲・石狩側でこの時間帯に平均風速ではなく最大瞬間風速が2.8m/s以下となるのは相当稀です。だからこそ、大きな高島おばけが発生したのだろうと思われます。