1) 2022年5月11日

気象関連グラフ[小樽]

石狩湾の海水温:約10℃ 発生時間帯:13:10~14:10頃(ピーク時:13:25~14:10)

小樽20220511温度差風向


■気温と海水温の差が10℃以上ある時間帯が5時間を超える。また、午前11時前後以外の風向きがほぼ一定です。ところで、小樽側で高島おばけ(=上位蜃気楼)が発生する場合、風向が東~北東間、特に東北東で非常に多く、さらに風速が2.5m/s以下ならその発生確率がより高くまる傾向です。これはデータからも経験則からもわかっていること。また、今回の特徴として、霧やモヤが少なく非常に対象が見やすい状況だった。こういうケースは非常に珍しいでしょう。

小樽20220511湿度+


■この日は全体的に空気が乾燥していて高島おばけ発生時間帯(13:10~14:10)には、その直前と比べてもさらに5~6%低下し、最終的には30%を切る状況となった。上位蜃気楼は『上暖下冷』の空気層ができて発生することから、この『乾燥』状態がより大規模化させた一つの要因かもしれないと考えています。また、海上には幻の水平線が少しずつ高さを伴って出来上がった後、すーっと消えて、しばらくしてその周辺の対象物に大きな変化が現れたように感じました。個人的にはこれも今後の注目ポイントとしたいと考えている。

小樽20220511特風速


■一番上の毎時グラフの中で、特に発生時間帯(13:10~14:10)の様子を見るべく、10分毎の気象データをプロットしたものがこれ。やはり10分単位のデータでも、気温差(=気温ー海水温) は十分大きく維持され、風速も2.5m/s以下に推移。ピーク時の13時25分以降には風速2m/s以下の時間帯もあった。ただ、風速が1.5m/s以下になると霧やモヤが発生しやすく視程が悪くなりがちなのでこの程度の風速が理想的環境かもしれない。

小樽20220511特最瞬風速


■上記グラフと同様に、その時間帯の10分毎の最大瞬間風速に注目したのがこれだ。蜃気楼は一陣の風のよって消えてなくなることが知られている。江戸時代の北方探検家、松浦武四郎もそのことを日誌に残している。このグラフを見ると、該当する時間帯では最大でも風速4.2m/sと弱かったことがわかる。これが大きな蜃気楼を維持させ、しばらく消滅させなかった原因の一つかもしれない。おそらく小樽側で最大瞬間風速が6~7m/sを超える時間帯があれれば、その後1~2時間は発生はしないと思うのだが…。